2013年11月26日

<HIV感染輸血>男性1人が陽性に もう1人は調査中

<HIV感染輸血>男性1人が陽性に もう1人は調査中

毎日新聞 11月26日(火)20時27分配信

 エイズウイルス(HIV)に感染した献血者の血液が日本赤十字社の検査をすり抜けて出荷され、この血液を輸血された患者2人のうち60代の男性1人がHIVに感染したことが26日、分かった。厚生労働省の委員会で日赤が報告した。もう1人の患者は調査中。検査をすり抜けた献血で患者がHIVに感染したのは、2004年に日赤が対策を強化して以降は初めて。

 厚労省や日赤によると、今月初旬に40代の日本人男性が献血し、安全を確認する検査でこの血液からHIVの抗体が検出された。男性は今年2月にも献血しており、日赤が保管していた検体を調べたところ、HIVの遺伝子を検出。2月に献血した血液は2月と10月に別々の医療機関で各1人に輸血され、うち慢性消化器疾患の手術で10月に輸血を受けた60代男性は抗体検査で感染が確認された。

 HIVに感染後約8週間はウイルスや抗体が微量で、検査をすり抜ける「ウインドーピリオド(空白期間)」と呼ばれる。日赤は1999年、ウイルスの遺伝子を増幅させ感染を見つける核酸増幅検査(NAT)を導入したが、03年にすり抜けによる献血で患者がHIVに感染。04年に検査の精度を上げるため、50人の血液を一括して検査する手法を改め、20人分に変更した。今回はそれでも見抜けず、来年夏までに1人分ずつ調べる手法に改める予定。

 問題となった献血をした男性は2月の献血の際、直前に感染リスクの高い同性との性交渉があったのに、問診で事実と異なる回答をしていた。厚労省は検査目的で献血した可能性が高いとみている。男性は2月以前にも計3回献血していたが、ウイルスの検出状況からこの3回分にHIV感染の可能性はないという。【桐野耕一】

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